「マイナスイオン」という言葉ですが、
実はこの呼び名は世界共通の名称ではなく、
日本だけの呼び名ではないかと言われています。
学術的に正しくは「負イオン」や「陰イオン」、
英語では「negative ion」と表現されます。
私たち人間の体にいい影響を及ぼすものの大半は
空気中の負イオンなので、本来は
「負の空気イオン」「負の大気イオン」
と呼ぶほうが正しいはずですが、
一般的には「マイナスイオン」という言葉が定着し、認知度が向上しています。
そもそもイオンって何?
イオンとは電気を帯びている小さな物質(原子、分子、または分子集団)のことです。
電気といっても感電するものではなく、その大きさは肉眼ではもちろん、
一般的な顕微鏡でも見ることができない小さな粒子です。
プラスの電気を帯びた原子を陽イオン、
マイナスの電気を帯びた原子を陰イオンと呼びます。
陽イオンと陰イオン
原子はプラスでもマイナスでもなく、原子全体としては電気的に中性です。
原子が余分に電子を受け取ったり、電子を失ったりして
全体的に電気を帯びた状態のものがイオンです。
それぞれの原子は種類によって
「電子を受け取りやすい」か「電子を失いやすい」
という性質を持っています。
ここでポイントなのは、電子はマイナスの電気を帯びた粒子だということです。
電子を受け取りやすい原子の場合
電子を余分にもつのでマイナスの電気を帯びる
↓
陰イオンになる
電子を失いやすい原子の場合
電子が減るのでプラスの電気を帯びる
↓
陽イオンになる
イオン発生方法
空気中にイオンを発生させる方法は以下のようなものがあります。
コロナ放電式
プラスとマイナスの電極間にコロナ放電現象を起こすことにより、
陰イオンを発生させる方式。
この方式は、陰イオンを発生させるのと同時にオゾン、窒素酸化物(NOx、SOxなど)を
発生させる。
電子放射式
コロナ放電現象を利用せず、マイナス電極に鋭利な金属片(ニードル)を使用し、
直接空気中に電子を放射して陰イオンを発生させる方式。
この方式は、オゾン、窒素酸化物などを発生させることはないが、
鉄芯型トランスによる電磁波を発生させる。
イオンターボチャージャー方式
アーク放電やマイクロ波などで推進剤を加熱・電離させてプラズマを生成し、
2枚ないし3枚からなる多孔状の電極に1000V程度の高電圧を印加させて
イオンを加速するという静電加速型の推進装置を応用した、
イオン吹出し拡散構造方式。
水破砕方式
レナード効果とも呼ばれる。
水分子が別の物質との衝突や摩擦により分裂する際、
大きい塊はプラスに、小さい塊はマイナスに帯電し、
さらに小さい分裂の際には、表面がマイナスに、内側がプラスに帯電する。
レナード博士が発見したレナード効果を応用して作られている。
イオンの効果
イオンはその性質からさまざまな効果があると言われています。
特によく聞く効果としては、
集塵
脱臭
悪臭除去
除菌
保湿
静電気の抑制
などが挙げられます。